お勧めの一冊
今朝の新聞(中国新聞)に「日弁連が死刑廃止宣言――20年までに終身刑を検討」という見出しの記事がありました。
犯罪被害者支援弁護士フォーラムは「死刑廃止のみが正義だと国民に押しつける暴挙。加害者の人権を被害者の人権より重く見るのはとんでもない」と表明したとのことです。
内閣府が14年に実施した世論調査では死刑制度を容認するが80.3%、廃止を求めるが9.7%だったそうです。
果たした被害者の家族は加害者が死刑になれば救われるのでしょうか。
加害者が自己と向き合い、心より詫び、一生詫び続けることがあればどうでしょうか。
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「実にこの世においては、およそ怨(うら)みに報いるに怨みを以てせば、ついに怨みの息(や)むことがない耐え忍ぶことによって、怨みは息む。これは永遠の真理である」
『ブッダの真理のことば』
憲法第九条と死刑
日本には憲法第九条があります。私は必ずしも第九条を金科玉条とするような信奉者ではありません。しかし、意図して練り上げられた理念かどうかは疑義があるにせよ、憲法第九条は戦後の遺産のなかで秀逸なものだと思っています。「戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認」。これは究極的には死刑という国権の発動をも否定しているのではないでしょぅか。私はそう思いたいのです。そう考えるぺきだとも思っています。いま、第九条は危機に瀕していますが、第九条を死守することは死刑制度の廃止、死刑執行の即時停止につながるのでなければならない。私はそう考えます。
『愛と痛み』本文より引用